セルモーターの交換

オークションで程度の良いセルモーターを入手できました。

 

走行距離20,000kmほどの1992年式 R100GSPD(パリダカール)から取り外し、オーナー様が保管されていたものです。

 

マグネットの剥離に対する不安は払拭できませんが、走行距離86,391kmのセルモーターよりは不具合発生率が下がるのではないかと期待しています。

オークションで入手した Valeo D6RA15

 

それでは交換していきます。

 

バッテリーのマイナス端子を外して絶縁します。

サイドカバー、燃料タンクを外します。

サイドカバーの裏のフックの向きが左右で異なるので引っぱる方向に注意します。
左側は下に引けば外れます。右側は後ろを手前に引き、前を下に引いて外します。

 

エアクリーナーカバー、エアクリーナーエレメントを外し、M6のキャップスクリュー2本を緩めてセルモーターカバーを外します。

半年前にメンテナンスしたばかりなのでまだキレイです。

セルモーターの点検 - 1989年式 BMW R100RS の備忘録

続・セルモーターの点検 - 1989年式 BMW R100RS の備忘録

 

セルモーターのソレノイドに接続されている配線を外します。

黄色丸で囲んだ配線を外します。
バッテリーケーブル(+)のナットは13mmのメガネレンチを使用、ファストン端子のコネクターは引き抜くだけです。

 

ブローバイホースをエアクリーナーボックスから外し、コンパクトラチェットハンドルに13mmのソケットを付けて、セルモーターを固定しているM8六角ボルト2本を緩めます。

黄色丸で囲んだボルトと、写真に写っていませんが左側にもう1本あります。

 

ボルトが外れたらセルモーターをエンジンから外します。

エンジン側の切り欠きがセルモーターの勘合部の直径より小さく、上には抜けないので、1cm程前方にずらしてから上に抜きます。

組みつける際も逆の手順で車体前方から後方にずらしてボルトで固定します。

 

R100RSから外したセルと、新たに入手したR100GSPDのセルを比べてみます。

同じ型番(Valeo D6RA15)でも製造時期が違うので微妙に差異があります。

左がR100RSのもの、右が新たに入手したR100GSPDもの。
フィールドケースを固定している3本のボルトは、左がヘクサロビュラの全ねじ、右は六角穴付きボルトの半ねじで少し短い。

スターターギアの形状は年式の新しい右側のR100GSPDの方が連結され丈夫そうです。
メッキや樹脂部品の色も異なります。

アルミ鋳物のカバーはR100RSから取り外したものの方が腐食が少ないのでこちらを使用します。

カバーの交換完了です。写真右のセルをエンジンに組み込みます。
写真左のセルも使用できるので保管しておきます。

 

取り外しと逆の手順でエンジンに組みつけていきます。

 

セルモーターカバーを付けるときは、エアクリーナーボックスを少し後ろにずらした方が作業しやすいです。

エアクリーナーボックスはミッションケース側にM8六角ボルト1本、セルモーター側にM8六角穴付きボルト2本で固定されています。

ファンネルが邪魔してセルモーター側の六角穴付きボルトにアクセスしにくいので、コンパクトラチェットハンドルがあると便利です。

右側はまだマシです。

左側はこんな組み合わせの工具があると、ファンネルの下からアクセスできます。

 

交換後、スターターボタンを押すと元気よくセルモーターが回り、エンジンがかかりました!

こころなしか交換前より勢いが良いような。

これでしばらくは安心かな。