土曜日にやることを片付けて、本日午前中は箱根芦ノ湖西側の舗装された林道をひとりでツーリングしてきました。
すれ違ったのはクルマ1台、バイク2台のみ。
舗装されているとはいえ、道幅も狭く、路上には枝や落ち葉の堆積が多いので、大型バイクでの走行は気を使いますが、ウグイスの鳴き声が響く山間を走るのはとても気持ちよかったです。
先日、何年かぶりに自転車を引っ張り出して乗ってきました。
僕の自転車は18年前に中古で購入した1990年代初頭のクロモリフレームで組んだものです。
このフレームはリアエンド幅が130mmになって間もないころのものだと思います。
友人に誘われて、とあるショップのグランフォンドに参加させていただいたのですが、オートバイにうつつを抜かしている間に自転車は大きく進化していて、浦島太郎のような衝撃を受けました。
カーボンフレームは当時からありましたが、油圧ディスクブレーキ、電動シフト、スルーアクスル、大きなスプロケット、ヘッドやBBに至っては規格もよくわかりません。
23Cのクリンチャータイヤは僕ひとり、25Cを飛び越えて28C以上の太いチューブレスタイヤが現在では主流のようです。
軽くて高剛性、低い転がり抵抗と高い振動吸収性、長い下り坂でも指1本でスピードコントロールできる制動力と、それを受け止めるエアボリュームのあるタイヤ。
オートバイもそうですが、技術の進歩はすごいですね。
相反する要求を高い次元で両立させてしまいます。
なんだか最新のスーパースポーツのツーリングにR100RSが1台混ざったようで、場違いな感じは否めませんでしたが、走るのはとても楽しかったです。
身体を動かすことでしか味わえない爽快な疲労感と充実感がありました。
クルマやオートバイのように旧い自転車を楽しむ文化もあるようです。
僕のよりもう少し年式の古い自転車が対象のようですが、いい雰囲気です。
こういうのもいいなぁ。
高校生の頃、貯めていたお年玉を叩いて初めて買ったロードレーサー(当時はそう呼びました)を懐かしく思い出しました。
メタリックブルーのナショナル(まだパナソニックではないです)のフレームで、パイプはタンゲのチャンピオンNo.2、コンポはシマノ600EX、スーパーチャンピオンのリムに36Hのハブ、ワイヤー類はすべてむき出しで、コットンのバーテープでした。
まだWOタイヤが出始めた頃で、サイスポに載っていたミシュランの広告は19Cの三角断面のスリックタイヤだったように記憶しています。
お金がなかったので、パンクするとチューブラータイヤを開腹、パッチ修理、縫合して使っていました。
フルメンテナンスが完了し、本日サスペンションが届きました。
今回の作業にかかった費用は¥44,000(税込)でした。(送料別途)
深い摺動キズのあったダンパーロッドは再メッキされ、Technixさんのイメージカラーである青いストロークインジケーターが取り付けられています。
完全に抜けてクリック感のなくなったリバウンドアジャスターもしっかりとクリック感が戻っています。
作業報告書には、オイルシール、ダストシール、シャフトブッシュ、ピストンリング、ボトムストッパー、ピストンOリング、リザーバーキャップOリング、シールケースを交換したとあります。
また、ショックオイルは変色して劣化が進んでいたとのことで、「TGRサスペンションフルード ショックオイル Light(動粘度:10.9cst/40℃ )」に交換してくれています。
フロントフォークを自分で組みなおしたときに交換部品を揃えましたが、これだけの部品を交換するとそれなりの金額になりますし、オイルだけでも数千円します。
きれいに洗浄し、消耗部品とオイルを交換して、専用設備を使ってプロの技術で再組立てをしてくれるのですから、費用対効果は高いと思います。
できるだけ自分で整備したいのですが、できないことは信頼できるプロにお任せします。
WILBERSは基本的にオーダーメイドで受注しているので、中古で購入したこのサスペンションは、前オーナーに合わせてセッティングされていると思われます。
また、プリロードアジャスターは前オーナーにより、位置を動かした形跡があります。
僕の体重は65kg~66kgで安定しています。
スプリングは75-185と記載があり、75はスプリングレートで75N/mm(7.65kg/mm)または7.5kg/mm、185(mm)はスプリングの自由長だと思います。
このスプリングレートが、はたして僕の体重にあっているのかTechnixさん経由でWILBERS社に問い合わせていただいたところ、「既存のスプリングで65㎏であれば、ぎりぎり大丈夫で、特に不満がなければ交換不要」との回答をいただきました。
WILBERSのお墨付きをもらったので、今回のフルメンテナンスを機に前オーナーのセッティングはリセットしてもらうようお願いしましたが、結局のところ前オーナーが調整したスプリングセット長175mmが僕の体重にはベターとのことでした。
それでは車体に組付けていきます。
サイレンサーとサイドカバー、シート下のツールボックスを外します。
後輪の下にツーバイ材の木端などを挟んでサスペンションのボルトにかかるテンションを緩めて純正サスを外します。
交換完了。
取り外したサイレンサーとサイドカバー、ツールボックスを戻します。
プリロードを調整します。
調整方法はこちら ↓
Rider's Handbookに書かれているリアホイールトラベル、121mmの1/3(約40㎜)になるよう1G’の沈み込み量を調整します。
0Gの状態で600mmに印をつけて、1G’の時に560mmになるようにプリロードを調整します。
プリロードを3mmかけたところでちょうどホイールトラベルの1/3に調整できました。
Technixさんの言う「スプリングセット長175mmがベター」の意味が解りました。
僕のオーダーしたメーカー出荷時の165mmだとリバウンドストロークを確保できません。
現在のスプリングセット長は172mmです。
(スプリングセット長175mm-プリロード3mm=172mm)
次回のフルメンテナンスは、事前にプリロードを調整して「ベスト」なスプリングセット長を指定してオーダーします。
以上でリアサスペンションのフルメンテナンスは完了です。
今日は雨なので、晴れた日に試運転したいと思います。
【追記】2024.2.24
晴れたので広域農道を少し走ってきました。
またがるとプリロード調整した位置までスッと沈んで姿勢が決まります。
コシがしっかりとあり、わざと舗装の荒れた場所を選んで走っても、路面とタイヤがずっと離れずにいる感じです。
ブレーキをかけて前荷重になっても後輪に接地感があるような不思議な感じでした。
純正サスは購入したときは既に7万キロオーバー、中古のWILBERSもそれなりにヘタっていたと思うので、初めて足回りがきちんと整備されたR100RSに乗った気分です。
イグニッションコイルとプラグコードについて記事にまとめておきます。
残っていた写真を見ると2019年7月~8月頃に作業していたようです。
イグニッションコイルは定番のスズキ純正部品(33410-45012)を使用しています。
33410-45012は1977年~1979年頃のGS1000やGS750、1986年頃までのGS850などに採用されていたコイルで現在は廃番になっています。
33410-31311が入手可能で代用できそうです。
CMSなどで検索すれば代替部品が見つかると思います。
プラグコードはNGKのレーシングケーブルCR4(500mm)を使用しています。
NGKのレーシングケーブルは、スズキ純正コイルのケーブルと同じく直径がφ7mmなので、そのまま差し替えることができます。
レーシングケーブルは切らずに500mmの長さのまま使います。
もともとついているケーブルを抜く際にコイル側のクリップを外すのですが、4カ所のうち1カ所の爪を折ってしまい、当時凹んだことを思い出しました。
しっかりと温めながら作業したほうが良いです。
こちらも定番のリトモ・セレーノさんのステーを使用して、前側からプラグコードが出るようにイグニッションコイルを取り付けています。
プラグコードを前側から出すことで、電気配線を弄らずコネクターが接続できますし、レーシングケーブルの長さも丁度よく収まります。
プラグキャップはこんな感じです。 ↓
性能の変化は感じられませんでしたが、劣化の進行した電気周りのトラブル予防になっています。
旧車とはいえ公道を走る以上、機械の信頼性向上は大切なことです。
今装着しているWILBERESのリアサスペンションは、2015年5月に中古で購入したもので、9年間一度もオーバーホールしていません。
前オーナーの整備状況はわかりませんが、製造年月2011年12月から12年以上経過しているので、日本国内唯一のWILBERSオフィシャルサービスセンターであるTechnixさんにフルメンテナンスしてもらうことにしました。
メールで問い合わせると、親切な回答と以下のブログをご紹介いただきました。
それでは発送の準備をします。
作業性をよくするため右側のサイレンサーを抜いてから、WILBERSのサスペンションを外します。
純正のサスペンションを取り付けてプリロードを調整します。
純正サスペンションのプリロード調整をしていて気づいたのですが、このZ型のパニアステーはフックレンチがぶつからない角度になっています。
Z型ステーは1983年に登場したKシリーズ用に設計されたものを、パニアケースの共通化等を目的にRシリーズのモノサス用にアレンジしているのだと推察しますが、さすがです、よく考えられていますね。
4段階中、最弱から2段目にセットしました。
本日Technixさんに発送しました。
納期は概ね14日程度~とのことなので、仕上がりを楽しみに待ちます。
【追記】2024.1.24
本日Technixさんより「ダンパーロッドに研磨では修正できない深いキズがあるので、部品在庫があれば交換、無ければ再メッキになるが作業を継続されますか?」と連絡をいただきました。
費用はいずれの場合もプラス¥15,000とのこと。
作業は継続していただくようお願いしました。
【追記】2024.2.2
本日Technixさんより「ダンパーロッドの在庫が無いため再メッキになります。」と連絡をいただきました。
再メッキは外注に出すようなので、納期はもう少しかかりそうです。
昼過ぎに近所をR100RSで走っていると、路肩に何やら旧いオートバイが停まっています。
好奇心を抑えきれず、そこにいた男性お二人にお声がけしてお話を伺いました。
まずはこちら。
シャフトドライブの単気筒。
最初は旧いBMWかと思いましたが、DSKというメーカーの1959年製250ccとのことでした。
初めて聞いたメーカーで、大東製機株式会社の略称のようです。(Daito Seiki K.K.)
とても詳しく説明していただきました。
帰宅後にネットで調べると、DSK AB-25というオートバイだとわかりました。
BMWのコピーを作っていたそうで、エンブレムまでコピーです。
BMW R-26のコピーですが、R-26の発売開始が1956年、DSK AB-25が1959年とのことなので3年で製品化したことになります。
しかも大東製機は1957年に工場を全焼してしまい、再興という中での開発です。
現在と違い3Dスキャナーなどのリバースエンジニアリング技術は当然無く、実測しながらコピーして製品化したのでしょうから、当時の技術者たちの情熱と気合いに感服します。
もう一台のこちらもシャフトドライブの単気筒。
こちらはLILAC(ライラック)の1956年製250ccだそうです。
名前だけは聞いたことがあります。
このメーカーはMOTO GUZZIのような縦置きV型2気筒シャフトドライブの250㏄も生産していたと教えていただきました。
こちらもネットで調べました。
ライラックは浜松にあった丸正自動車製造株式会社という会社のブランドのようです。
Wikipediaに当時のことがいろいろと書かれていておもしろいです。
1950年代はDSKやライラックの他にも国内にたくさんのオートバイメーカーがあったようで、最初はコピーから始まりましたが、1960年代にはマン島T.T.を含む世界グランプリで優勝するまでに急成長したのですからスゴイ時代です。
お二人は東京から来られたとのこと。
1950年代の250㏄単気筒でトコトコと走るというのも、余裕のある大人の嗜みといった感じで憧れます。
ご迷惑かと思いましたが、勇気を出してお声がけしてよかったです。
楽しい時間をありがとうございました。
リアサスペンションのプリロードを調整します。
GRA様の以下の記事を参考にさせていただきました。
GRA『リアサスペンションのプリロード調整/セッティング』1 "Preload adustment of the Rear Suspension_1"
サスペンションは2015年5月にオークションでWILBERSの中古品を落札して交換していますがデフォルト設定のまま調整していませんでした。
このサスペンションはギリギリですがサブフレームに接触しないのが良いです。
それでは調整していきます。
まずは用語の定義を確認します。
プリロードは1G’の沈み込み量がホイールトラベルの1/3になるように設定するとあります。
Rider's Handbookにはリアホイールトラベルは121mmと記載されています。
121mmの1/3なので、1G’の沈み込み量を約40㎜になるよう調整します。
センタースタンドを立てて後輪を浮かせ、下の写真のように巻尺をセットし、0Gの時の印をつけます。
次にセンタースタンドを掃い、乗車してステップに足をのせ、壁に手を添えてバランスを取り、沈み込み量を確認します。
40mmに少し足りませんが、ヘルメットやライディングウェア、ブーツ等を身に着ければもう少し重くなるのでこれで良しとします。
沈みすぎ/沈まない場合ば、プリロードアジャスターで調整します。
調整後のプリロード量を測定し記録しておきます。
以上でプリロードの調整は完了です。
この値を基準にして乗りながら調整していきたいと思います。