続・WILBERSリアサスペンションのフルメンテナンス(完了報告編)

フルメンテナンスが完了し、本日サスペンションが届きました。

Techinixのロゴが印刷された箱に入って帰ってきました。
箱はカッコいいので取っておきます。

きれいに洗浄されています。

 

今回の作業にかかった費用は¥44,000(税込)でした。(送料別途)

  • Rショックフルメンテナンス ¥25,000(税抜)
  • ダンパーロッド再メッキ加工 ¥15,000(税抜)

 

深い摺動キズのあったダンパーロッドは再メッキされ、Technixさんのイメージカラーである青いストロークインジケーターが取り付けられています。

再メッキされたダンパーロッドに青いストロークインジケーターが追加されています。

 

完全に抜けてクリック感のなくなったリバウンドアジャスターもしっかりとクリック感が戻っています。

カチカチとしたクリック感が戻りました。

 

作業報告書には、オイルシール、ダストシール、シャフトブッシュ、ピストンリング、ボトムストッパー、ピストンOリング、リザーバーキャップOリング、シールケースを交換したとあります。

また、ショックオイルは変色して劣化が進んでいたとのことで、「TGRサスペンションフルード ショックオイル  Light(動粘度:10.9cst/40℃ )」に交換してくれています。

 

フロントフォークを自分で組みなおしたときに交換部品を揃えましたが、これだけの部品を交換するとそれなりの金額になりますし、オイルだけでも数千円します。

きれいに洗浄し、消耗部品とオイルを交換して、プロの技術と設備で再組立てしてくれるのですから、費用対効果は高いと思います。

できることは自分でやりますが、できないことは信頼できるプロにお任せします。

 

WILBERSは基本的にオーダーメイドで受注しているので、中古で購入したこのサスペンションは、前オーナーに合わせてセッティングされていると思われます。

また、プリロードアジャスターは前オーナーにより、位置を動かした形跡があります。

中古で購入したサスペンションについていた保証書
元々の設定はプリロード20mmとあるので、スプリングセット長165mmです。

 

僕の体重は65kg~66kgで安定しています。

スプリングは75-185と記載があり、75はスプリングレートで75N/mm(7.65kg/mm)または7.5kg/mm、185(mm)はスプリングの自由長だと思います。

このスプリングレートが、はたして僕の体重にあっているのかTechnixさん経由でWILBERS社に問い合わせていただいたところ、「既存のスプリングで65㎏であれば、ぎりぎり大丈夫で、特に不満がなければ交換不要」との回答をいただきました。

WILBERSのお墨付きをもらったので、今回のフルメンテナンスを機に前オーナーのセッティングはリセットしてもらうようお願いしましたが、結局のところ前オーナーが調整したスプリングセット長175mmが僕の体重にはベターとのことでした。

 

メンテナンス後の各アジャスターの設定値

 

それでは車体に組付けていきます。

 

サイレンサーとサイドカバー、シート下のツールボックスを外します。

後輪の下にツーバイ材の木端などを挟んでサスペンションのボルトにかかるテンションを緩めて純正サスを外します。

 

交換完了。

取り外したサイレンサーとサイドカバー、ツールボックスを戻します。

 

プリロードを調整します。

調整方法はこちら ↓

 

Rider's Handbookに書かれているリアホイールトラベル、121mmの1/3(約40㎜)になるよう1G’の沈み込み量を調整します。

0Gの状態で600mmに印をつけて、1G’の時に560mmになるようにプリロードを調整します。

Wilbersの取説にも1G’をホイールトラベルの約1/3に調整するよう記載があります。
レースセッティングは約1/4。

 

プリロードを3mmかけたところでちょうどホイールトラベルの1/3に調整できました。

Technixさんの言う「スプリングセット長175mmがベター」の意味が解りました。

僕のオーダーした165mmだとリバウンドストロークを確保できません。

現在のスプリングセット長は172mmです。
(スプリングセット長175mm-プリロード3mm=172mm)

次回のフルメンテナンスは、事前にプリロードを調整して「ベスト」なスプリングセット長を指定してオーダーします。

 

以上でリアサスペンションのフルメンテナンスは完了です。

今日は雨なので、晴れた日に試運転したいと思います。

 

【追記】2024.2.24

晴れたので広域農道を少し走ってきました。

またがるとプリロード調整した位置までスッと沈んで姿勢が決まります。

コシがしっかりとあり、わざと舗装の荒れた場所を選んで走っても、路面とタイヤがずっと離れずにいる感じです。

ブレーキをかけて前荷重になっても後輪に接地感があるような不思議な感じでした。

純正サスは購入したときは既に7万キロオーバー、中古のWILBERSもそれなりにヘタっていたと思うので、初めて足回りがきちんと整備されたR100RSに乗った気分です。

 

イグニッションコイルとプラグコード

イグニッションコイルとプラグコードについて記事にまとめておきます。

残っていた写真を見ると2019年7月~8月頃に作業していたようです。

 

イグニッションコイルは定番のスズキ純正部品(33410-45012)を使用しています。

スズキ純正部品 33410-45012
写真にある電気配線は使用しません。

 

33410-45012は1977年~1979年頃のGS1000やGS750、1986年頃までのGS850などに採用されていたコイルで現在は廃番になっています。

33410-31311が入手可能で代用できそうです。

CMSなどで検索すれば代替部品が見つかると思います。

 

プラグコードはNGKのレーシングケーブルCR4(500mm)を使用しています。

2輪車用レーシングケーブル|NGKスパークプラグ製品サイト

 

NGKのレーシングケーブルは、スズキ純正コイルのケーブルと同じく直径がφ7mmなので、そのまま差し替えることができます。

レーシングケーブルは切らずに500mmの長さのまま使います。
もともとついているケーブルを抜く際にコイル側のクリップを外すのですが、4カ所のうち1カ所の爪を折ってしまい、当時凹んだことを思い出しました。

しっかりと温めながら作業したほうが良いです。

クリップの一番上の爪が折れています ( ノД`)シクシク…

 

こちらも定番のリトモ・セレーノさんのステーを使用して、前側からプラグコードが出るようにイグニッションコイルを取り付けています。

プラグコードを前側から出しています。

 

プラグコードを前側から出すことで、電気配線を弄らずコネクターが接続できますし、レーシングケーブルの長さも丁度よく収まります。

右側
ホーンにもシリンダーにも接触しません。

左側
こちらもホーンにもシリンダーにも接触しません。

 

プラグキャップはこんな感じです。 ↓

赤い差し色が小さなアクセントになっていて気に入っています。

 

性能の変化は感じられませんでしたが、劣化の進行した電気周りのトラブル予防になっています。

旧車とはいえ公道を走る以上、機械の信頼性向上は大切なことです。

 

WILBERSリアサスペンションのフルメンテナンス(準備編)

今装着しているWILBERESのリアサスペンションは、2015年5月に中古で購入したもので、9年間一度もオーバーホールしていません。

Gクラフト製のリザーブタンクステーを使用しています。

 

前オーナーの整備状況はわかりませんが、製造年月2011年12月から12年以上経過しているので、日本国内唯一のWILBERSオフィシャルサービスセンターであるTechnixさんにフルメンテナンスしてもらうことにしました。

 

メールで問い合わせると、親切な回答と以下のブログをご紹介いただきました。

 

それでは発送の準備をします。

作業性をよくするため右側のサイレンサーを抜いてから、WILBERSのサスペンションを外します。

相当にヘタレていると思われます。

 

純正のサスペンションを取り付けてプリロードを調整します。

プリロードの調整方法はこちら ↓

 

純正サスペンションのプリロード調整をしていて気づいたのですが、このZ型のパニアステーはフックレンチがぶつからない角度になっています。

Z型ステーは1983年に登場したKシリーズ用に設計されたものを、パニアケースの共通化等を目的にRシリーズのモノサス用にアレンジしているのだと推察しますが、さすがです、よく考えられていますね。

4段階中、最弱から2段目にセットしました。

車載工具のフックレンチを使って調整します。

 

本日Technixさんに発送しました。

納期は概ね14日程度~とのことなので、仕上がりを楽しみに待ちます。

 

【追記】2024.1.24

本日Technixさんより「ダンパーロッドに研磨では修正できない深いキズがあるので、部品在庫があれば交換、無ければ再メッキになるが作業を継続されますか?」と連絡をいただきました。

費用はいずれの場合もプラス¥15,000とのこと。

作業は継続していただくようお願いしました。

 

【追記】2024.2.2

本日Technixさんより「ダンパーロッドの在庫が無いため再メッキになります。」と連絡をいただきました。

再メッキは外注に出すようなので、納期はもう少しかかりそうです。

 

DSK(大東製機) と LILAC(ライラック)

昼過ぎに近所をR100RSで走っていると、路肩に何やら旧いオートバイが停まっています。

好奇心を抑えきれず、そこにいた男性お二人にお声がけしてお話を伺いました。

DSKとLILAC

 

まずはこちら。

シャフトドライブの単気筒。

DSK AB-25

最初は旧いBMWかと思いましたが、DSKというメーカーの1959年製250ccとのことでした。

初めて聞いたメーカーで、大東製機株式会社の略称のようです。(Daito Seiki K.K.)

とても詳しく説明していただきました。

帰宅後にネットで調べると、DSK AB-25というオートバイだとわかりました。

大東製機 - Wikipedia

BMWのコピーを作っていたそうで、エンブレムまでコピーです。

エンブレムが傘みたいでかわいいです。

BMW R-26のコピーですが、R-26の発売開始が1956年、DSK AB-25が1959年とのことなので3年で製品化したことになります。

しかも大東製機は1957年に工場を全焼してしまい、再興という中での開発です。

現在と違い3Dスキャナーなどのリバースエンジニアリング技術は当然無く、実測しながらコピーして製品化したのでしょうから、当時の技術者たちの情熱と気合いに感服します。

 

もう一台のこちらもシャフトドライブの単気筒。

ライラック UY

こちらはLILAC(ライラック)の1956年製250ccだそうです。

名前だけは聞いたことがあります。

このメーカーはMOTO GUZZIのような縦置きV型2気筒シャフトドライブの250㏄も生産していたと教えていただきました。

こちらもネットで調べました。

ライラックは浜松にあった丸正自動車製造株式会社という会社のブランドのようです。

Wikipediaに当時のことがいろいろと書かれていておもしろいです。

丸正自動車製造 - Wikipedia

 

1950年代はDSKやライラックの他にも国内にたくさんのオートバイメーカーがあったようで、最初はコピーから始まりましたが、1960年代にはマン島T.T.を含む世界グランプリで優勝するまでに急成長したのですからスゴイ時代です。

 

お二人は東京から来られたとのこと。

1950年代の250㏄単気筒でトコトコと走るというのも、余裕のある大人の嗜みといった感じで憧れます。

山間の田舎道にとてもよく似合います。

 

ご迷惑かと思いましたが、勇気を出してお声がけしてよかったです。

楽しい時間をありがとうございました。

 

リアサスペンションのプリロード調整

リアサスペンションのプリロードを調整します。

GRA様の以下の記事を参考にさせていただきました。

GRA『リアサスペンションのプリロード調整/セッティング』1 "Preload adustment of the Rear Suspension_1"

 

サスペンションは2015年5月にオークションでWILBERSの中古品を落札して交換していますがデフォルト設定のまま調整していませんでした。

このサスペンションはギリギリですがサブフレームに接触しないのが良いです。

隙間は狭いですがどこにも接触せずに取り付けできます。

 

それでは調整していきます。

まずは用語の定義を確認します。

  • 0G  サスペンションが伸びきった状態
  • 1G  前後タイヤを接地させて直立した状態(今回の調整作業には出てきません)
  • 1G’ ライダーが乗車した状態

 

プリロードは1G’の沈み込み量がホイールトラベルの1/3になるように設定するとあります。

Rider's Handbookにはリアホイールトラベルは121mmと記載されています。

121mmの1/3なので、1G’の沈み込み量を約40㎜になるよう調整します。

センタースタンドを立てて後輪を浮かせ、下の写真のように巻尺をセットし、0Gの時の印をつけます。

ファイナルケースにガムテープで巻尺の先端を貼り付けシート上まで持っていき、ガムテープで固定します。
乗車し沈み込むと巻尺が巻き上げられます。

600mmに印をつけました。

 

次にセンタースタンドを掃い、乗車してステップに足をのせ、壁に手を添えてバランスを取り、沈み込み量を確認します。

600mm−562mm=38mm下がりました。

 

40mmに少し足りませんが、ヘルメットやライディングウェア、ブーツ等を身に着ければもう少し重くなるのでこれで良しとします。

沈みすぎ/沈まない場合ば、プリロードアジャスターで調整します。

調整後のプリロード量を測定し記録しておきます。

4.00mmです。

 

以上でプリロードの調整は完了です。

この値を基準にして乗りながら調整していきたいと思います。

 

ブレーキペダルのグリスアップ

 

ブレーキペダルのグリスアップをしました。

もう二度とやりたくない作業です。

みなさんどのようにやっているのでしょうか。

何かすごく単純な見落としをしているような気もしますが、良い方法があれば教えてください

 

それでは作業に入ります。

ばらす前にプルロッドにテープで目印をつけておきます。

再組付けするときの目印にします。

 

 

13mmのメガネレンチを2本使って下の図の2番のボルトと6番のナットにかけて緩めます。

図の4番は無給油ブッシュなのだろうか?

そもそもグリスアップ不要?

RealOEM.com - オンラインBMWパーツカタログ

 

ばらしてお掃除しました。

上の図の24番のキャップがついてません。(次回の課題です)

僕がオーナーになってから一度もグリスアップしていないので、当然油脂類はなくなり、かなり汚れていました。

 

プルロッドをブレーキペダルに先に組んでしまうと車体に取り付けられないので、ペダルだけグリスアップして組付けます。

次にプルロッドのナックルジョイントをブレーキペダルに接続します。

が、この作業が問題です!

隙間が狭く目視しながら作業ができません!!

タンデムステップのプレートの裏側で見えません。

裏側から覗いても見えません。

下後方から覗くと見えますが隙間が狭い…、狭すぎる。
(写真は組付け後)

 

手探りで穴位置を合わせてボルト(クリップのついた6mmのピン)をナックルジョイントに通すのですが、何時間かかったことか!

リアホイールを外せば、もしかしたら目視できるのかもしれませんが、ブレーキペダルのグリスアップにそこまでね~と思いながら、結局どちらが早かったのか…。

 

【追記】2024.1.7

リアサスペンションを外すとブレーキペダルとプルロッドを組んだまま組付けられるようです。

YouTubeでサスペンションを外した後に組んだままばらしてたので、逆もまた然りではないでしょうか。

 

ナックルジョイントにピンが通ったら、目印のテープまでウイングナットを締め、遊びを調整すれば作業は完了です。

遊びの調整方法はRider's Handbookの96ページに記載がありますので以下にメモしておきます。

  • リアホイールを回して、ちょうどブレーキが利き始めるまでウイングナットを締める。
  • ウイングナットを3~4回転(約25㎜のブレーキの遊びに相当)緩める。
    遊びは25mm以下に調整。
  • ブレーキペダルの高さは、この記事の上の方にある図の7番のM6スクリューで行います。

 

とりあえず終わりましたが、もっと簡単に作業できないものか…。

で、考えたのがこちら。

SMCのGKM6-12を使用して、ナックルジョイントとロッドを分割できるような構造にします。

SMC GKM6-12
BMW純正部品のナックルジョイント部分と同寸法。ピンの固定方法も同じです。

 

φ6mmのロッドにM6並目おねじ加工したものを作製して、六角ナット(3種)でゆるみ止めします。

図にするとこんな感じです。
長さ464mmのロッドは特注品になります。
ナックルジョイント側20mm/ウイングナット側65mmおねじ加工(M6並目)


ブレーキペダルとナックルジョイントを接続してから車体に取り付け、後からロッドを組めば今回のように苦労せず簡単に作業できそうです。

そのうち作製してみようと思います。

 

【追記】2023.12.30

欠落していたキャップ(純正部品番号 35211244520)は入手が難しそうなので、近所のホームセンターでエラストマー樹脂製の六角ボルト用キャップ(M6用)を買ってきました。

4個入で税込み217円です。

株式会社 大里 型番:557-935
塩ビ製のものに比べ、型で成形しているので寸法精度が高く、肉厚も1.5mmあるのでしっかりしています。

 

さっそく取り付けてみました。

BIFORE

AFTER

 

ペダルから足を放した時のカツンッという金属音がなくなり、優しいタッチになりました。

ボルト頭との勘合が少し緩いですが押さえられた状態がデフォルトなので紛失しにくいと思います。

耐久性は未知数ですが、あと3個あるのでしばらくはこちらで代用します。

 

 

昼間から風呂に入って蕎麦を食べたい

冬至の翌日。

気温は低いですが空気が澄んで気持ち良い天気です。

静岡県小山町にある「あしがら温泉」に行ってきました。

爪切り地蔵の前から撮影。
橋の下は東名高速道路です。

 

浴室からも富士山が見えるのですが、スマホは持ち込めないので施設入口の「富士見のぞき窓」から撮影しました。

公式ホームページで浴室からの景色が見られますのでリンクを貼っておきます。

 

バイクで冷えて固まった身体が、じわじわほぐれていきます。

きれいな景色を眺めながらのんびりできました。

 

駐車場でR65とR80に乗っていたという年配の方にお声がけいただきました。

紳士的でBMWがお似合いだったんだろうなと感じました。

僕もあんな風に年齢を重ねたいです。

 

お昼を少し回ったので、御殿場線足柄駅近くにある蕎麦屋「藤曲屋」さんに行きました。

今日は「ざるそば」と「そばがきしるこ」。

ざるそば

そばがきしるこ
撮影前にひとつ食べてしまいました。


おいしかったです。

 

お風呂も入ったし、おなかも膨れたので足柄峠経由で帰るとします。

静岡県道・神奈川県道78号御殿場大井線の途中に「栗の木沢の唯念名号碑」があります。

大きくて立派な碑です。

栗の木沢の唯念名号碑

 

道路に融雪剤がまかれていたので、帰宅後は下回りの水洗いをしておきました。