イグニッションタイミングの調整

バルブクリアランスの調整同様、こちらも Rider's Handbook に手順が記載されています。

Rider's Handbook
TDC = Top Dead Center(上死点

 

Rider's Handbook の記載内容から推測するに、フライホイールを後方から見たときに下の図のようにOTマーク、Sマーク、Zマークが配置されているのだと思います。

後方から見たフライホイール

 

フライホイールの回転方向は反時計回り。

受け売りですが、アクセルを開けたときに車体が右に傾くのはフライホイールの回転に対する反作用であり、この挙動を抑えるために左ステップが右ステップより前に出ているのだそうです。

 

2017年5月にイグニッショントリガーを交換しています。

上の図を描いてみて、いまさらながらに 26° ADVANCED の意味が解りました。

26° ADVANCED の表示

 

それでは調整作業に入ります。

調整にはタイミングライトが必要です。

6年前に買った安物ですが、十分に機能してくれます。

ほとんど使ってないのに乾電池の液漏れもなく動きました。


手順

 

タイミングライトの接続

Rider's Handbook では、右側のプラグコードに接続するよう記載されていますが、左側に接続してしまいました。(作業後に気付きました…)

どっちでも同じだと思うんだけど…。

 

イグニッションタイミングの確認

「エンジンをかけて、800~1,100rpmでアイドリングさせます。」と Rider's Handbook にあり、1,000rpmで調整しました。

タイミングライトでのぞき穴の切り欠きとSマークのラインが合っているか確認します。

Sマークの下のラインがのぞき窓中央の切り欠きに合っていればOK。

 

Sマークがのぞき穴の中央にあれば、回転数を3,000rpm以上に上げ、のぞき穴の中央にZマークが現れるのを確認して終了。

ずれていたら、一度エンジンを止めて以下の作業が必要になります。

 

フロントエンジンカバーの取り外し

  1. カウルの取り外し。
    フロントエンジンカバー(オカメ)の前のスリットの入ったカウルのねじをプラスドライバーで緩めて取り外します。
  2. オイルクーラーの取り外し。
    上部のM6ボルト2本を10mmのコンビネーションレンチで緩めて手前にずらします。
  3. フロントエンジンカバー(オカメ)の取り外し。
    M6キャップボルト2本を5mmのアーレンキーで緩めて取り外します。

オルタネーターの下の黒い円筒がイグニッショントリガー

 

Sマークの調整

イグニッショントリガーが手で回る程度まで下の黄色で囲んだボルト2本を4mmのアーレンキーで緩めます。

エンジンをかけ、1,000rpmの時にSマークがのぞき穴の中央よりにある場合は、イグニッショントリガー本体を時計回りに回します。

Sマークがのぞき穴の中央よりにある場合は、反時計回りに回します。

この時、回転しているオルタネーターに指を巻き込まれないように、またエキパイに触れて火傷しないように十分注意します。

Sマークがのぞき穴の中央より上にある場合 ⇒ 時計回りに回す
Sマークがのぞき穴の中央より下にある場合 ⇒ 反時計回りに回す

 

Sマークがのぞき穴の中央に合うよう調整できたら、イグニッショントリガーのボルトを締めて固定します。

 

Zマークの確認

Sマークの調整後、回転数を3,000rpm以上に上げ、のぞき穴の中央にZマークが現れるのを確認します。

3,000rpm以上は進角が変わりません。

Rider's Handbook には「のぞき穴の中央にZマークが現れるはずです。」と記載されていますが、中央よりやや下に現れました。

少し気になりますが普通に走行できるためそのままにしています。

実際には中央より少し下に現れましたが、調整の方法がわからない。
イグニッショントリガーに依存しているのでしょうか?

 

エンジンを止めてタイミングライトを取り外します。

 

フロントエンジンカバーの取り付け

フロントエンジンカバー(オカメ)を5mmのアーレンキーで取り付け

オイルクーラーを10mmのコンビネーションレンチで取り付け

カウルをプラスドライバーで取り外付け

 

以上、イグニッションタイミングの調整作業でした。

 

気になってタイミングライトを右側のプラグコードに接続して再確認しましたが、結果は同じでした。