バルブクリアランスの調整

前回の調整が2020年4月26日なので、約3年ぶりの調整になります。
オドメーターは当時84,559km、現在が86,083kmなので、3年間の走行距離1,524km。
全然走ってませんね。

 

使用した参考書は CLYMER MANUALS と Rider's Handbook です。

CLYMER MANUALS & Rider's Handbook(白い方は日本語版)

 

作業はシリンダーヘッドが冷えた状態(35℃以下)で行います。

 

手順

 

スパークプラグの取り外し

まずは左右のシリンダーヘッドからスパークプラグを取り外します。
圧縮が抜けるのでリアホイールを回しやすくなります。

 

ギアをトップに入れる

車体の左側に移動し、右手でリアホイールを回しながら左手でシフトペダルを操作して、ギアをTOP(5速)に入れます。

 

シリンダーヘッドカバーの取り外し

オイル受けを用意してシリンダーヘッドカバーを外します。

使用する工具はセンターの特殊ナットが13mmのソケット、裏側の前後のナットが10mmのオープンスパナです。
ワッシャを紛失しないように注意。

シリンダーヘッドカバーを外すとオイルが垂れてくるので、受けを用意しておきます。

 

死点を出す

オイルフィラーキャップの後ろのゴム製プラグを外すとのぞき穴があり、フライホイールが見えます。

リアホイールを右手でカクカク回し、のぞき穴の中をペンライトで照らしながらフライホイールの「OT」マークのラインを左側の切り欠きに合わせます。

Rider's Handbook では、オルタネーターのローター保持ボルトを回して上死点を出すように記載されていますが、フロントエンジンカバーを外す必要があるので、リアホイールを回して上死点を出しました。

OTマークのラインがのぞき穴の目盛りと合ったところが上死点

 

これで左右どちらかのシリンダー(ロッカーアームをつまんで動いた方)の上死点が出ています。

 

アキシャル方向の遊び調整

ロッカーアームのアキシャル(軸)方向の遊びを確認したところ、やや広い箇所があったので調整します。

CLYMER MANUALS には、「遊びがなく、且つ軽く動かなくてはならない」とあるので、スタッドボルトのナットを15mmのソケットレンチで緩め、手持ちのシックネスゲージの一番薄い0.04mmを挟んだ状態で押さえて締めつけます。

0.04mmのシックネスゲージを挟みます。

 

シリンダーヘッドはロッカーアームを共締めしている4本と、シリンダーに植え込まれている上下2本の計6本のスタッドボルトで締結されています。

下の中央の図の順序で 15N・m ⇒ 25N・m ⇒ 35±4N・m と順番にトルクを上げて締めていきます。

Rider's Handbook より

 

バルブクリアランスの調整

規定値は吸気側 0.10mm 、排気側 0.20mm です。

12mm のソケットレンチでロックナットを緩めてシックネスゲージを挟み、自重で落ちず、手で軽く引き抜ける程度に調整スクリューを回し、ロックナットを 18~23N・m で締め付けます。

自重で落ちず手で軽く引き抜ける程度に調整しました。

 

片側が完了したら、反対側のシリンダーも上死点を出すところから同様に調整します。

 

シリンダーヘッドカバーの取り付け

ガスケットを新品に交換し、シリンダーヘッドカバーを元に戻します。

ガスケット純正部品番号 11121338426

 

CLYMER MANUALS にも Rider's Handbook にもヘッドカバーの締め付けトルクが記載されていなかったので、1.8T系列の標準締め付けトルクとしました。

センターナット(M8):22N・m

M6のナットは手ルク締めです。

 

スパークプラグの取り付け

スパークプラグのねじ部にスレッドコンパウンドを薄く塗り、 20±5N・m で締めてプラグコードを接続します。

シリンダーヘッドカバーを外した時にオイルが少し抜けていますので、オイル量を点検し、少なければ補充して作業完了です。

 

【追記】こんなのあるんですね。

アキシャル方向の遊びや平行度がずれずに良さそうです。すごく高いけど。

ワンピースロッカーアームベアリングブロック 4個 420.00ユーロ
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