ブレーキキャリパーのブリッジボルトを交換しています。
強度区分は「12.9」、防錆力の高い「ダクロタイズド処理」されたものです。
光沢の無い銀色でBMW純正部品の表面処理に似ています。
64チタン製なども良いのでしょうが高価なので…。
純正指定のブレンボ製リペアキットに含まれているブリッジボルトは、強度区分「8.8」でした。
メーカーが指定しているのだから問題あるはずがありません。
2ピースのブレンボレーシングキャリパーには強度区分「12.9」のブリッジボルトが使われていることが写真から確認できます。
公道ではありえないスピードからのフルブレーキングでも、引張強度の高いボルトで締結することで、キャリパーの広がりを抑えるためだと思われます。
ちなみにブレンボ4PODキャスティングキャリパーのブリッジボルトは強度区分「10.9」だそうです。
強度区分が高い方が良いと思ってしまいますが、強度区分「12..9」のボルトにも問題点があります。
遅れ破壊という現象が起こるそうです。
第9話 突然起こるねじの“遅れ破壊” | NBK【鍋屋バイテック会社】
「遅れ破壊」が起こるメカニズムは実はまだ完全には解明されていないが、最も大きな原因は「水素脆性」だと言われている。
ダクロタイズド処理は、遅れ破壊の原因と言われている「水素脆性」の心配が少ない表面処理とのことですが、不安要素は残ります。
ダクロダイズド処理:水素脆性の心配がない表面処理 | 富田螺子株式会社
純正ボルトの強度区分が「8.8」である理由がコストであれば、強度区分のより高いボルトに交換することは有効かもしれませんが、遅れ破壊を避けるためであれば、強度区分「12.9」のボルトを使用する場合はレース機材並のメンテナンスサイクルが必要かもしれません。
そもそもキャリパ―側との強度のバランスで「8.8」のボルトがベストとメーカーが設定しているのであれば高強度ボルトへの交換は、むしろ改悪かもしれません。
最近は市販車にもブリッジボルトを使わないモノブロックキャリパーを採用した車種が増えてきました。
モノブロックのキャリパーってどこが凄いの?【ライドナレッジ031】
加工技術が上がり価格が下がれば標準装備される車種も増えていくでしょう。
いずれにせよ強度区分「12.9」のボルトに交換した効果は、自己満足以外まったく感じることができませんでした。