BINGキャブレターの同期調整

先日登坂時に2000rpm超えた辺りで感じた微振動。

同期調整で消えるかわかりませんが、とりあえずやれることをやっておきます。

 

目次

 

 

作業準備

作業は暖機運転後に実施します。

左右のキャブレターに負圧計を繋ぎます。

キャブレター下側の接続口に負圧計のホースを繋ぎます。

 

負圧計の機差は事前に確認しておきます。
 ↓ 左の負圧計はゼロ点がずれていて、右の負圧計に比べて0.002MPa(1目盛)負圧が高く表示されます。

負圧計
写真は無負荷(大気圧)の状態
負圧がかかると反時計回りに針が動きます。

 

アクセル「閉」時を「スロットルストップスクリュー」、アクセル「開」時を「アジャスティングスクリュー」で同期調整します。

スロットルワイヤーにテンションが掛かっていない状態と、テンションが掛かった状態でそれぞれ同期をとるためです。

 

アイドリングの同期調整

黄色丸がスロットルストップスクリュー

 

アクセルを閉じた状態でタコメーターを見ながらエンジン回転数が800~1100rpmになるよう左右のスロットルストップスクリューで調整します。

Rider's Handbookにはアイドル速度800rpm~1100rpmとありますが、僕は900rpmくらいに調整しています。

 

ある程度回転数を合わせたら、左右のバランスを負圧計を見ながら微調整します。

同期した後にエンジン回転数がずれてしまったら左右のスロットルストップスクリューを同じくらい回して負圧計のバランスを保ちながら回転数を合わせます。


とりあえずアイドリング時の同調はこれでOK。

長時間の作業は空冷エンジンに負荷がかかりますので、一旦エンジンを止めます。

 

 

スロットルワイヤーの同期調整

白矢印 ロックナット
赤矢印 アジャスティングスクリュー
黄色線 ケーブルの遊び

 

片側のキャブ(僕の場合は左)のスロットルワイヤーの遊びを確認します。
0.5〜1mmくらいであればOK、合っていなければロックナットを緩め、アジャスティングスクリューでケーブルの遊びを調整しロックします。

反対のキャブ(僕の場合は右)のロックナットを緩めます。

エンジンをかけます。

タコメーターを見ながらエンジン回転数が2000rpmになるようにアクセルを開けて固定します。(微振動が出始めたところ。1500rpmで調整する人もいるようです。)

右側のキャブのアジャスティングスクリューを回して左右の負圧計の値が同じになるところでロックします。

ロックナットを締めるだけで、0.002MPaくらいずれるので、かなりシビアです。


アクセルを戻し、右側キャブのワイヤーの遊び、アイドリング回転数、負圧計のバランスを再確認します。

問題なければここでおしまい。

問題があればアイドリングの同期調整から再度詰めていきます。

 

アイドリングから3000rpmくらいまでアクセルを開け閉めしながら負圧計のバランスを確認し同期できたので完了。

 

 

同期調整時のスクリューを回す方向について

アイドリング時、バタフライバルブはほぼ閉じていて、スライドピストンも下がっています。
下図のAIR FLOW(エアフロー)が少ないので負圧計接続口からエンジン側に空気が吸われ負圧が上がります。

 

スロットルストップスクリューを時計回り、アジャスティングスクリューを反時計回りに回すと、バタフライバルブが開きスライドピストンが上がります。
するとエアクリーナー側からのエアフローが増えて、負圧計接続口から吸われる空気の量が減って負圧が下がる。

同期調整の際にスクリューをどちらに回せば良いのか迷っていましたが、理屈がわかると悩まなくなります。

 

 

おまけ

組み立て家具のおまけに付いていた10mmの板スパナ。
小さくて薄いのでアジャスティングスクリューのロックナットを緩めたり締めたりするのに便利です。

10mmの板スパナ
狭い場所での作業に便利です。

 

【追記】アジャスティングスクリューのロックナット用に購入しました。