前回、今回とオルタネーターの記事を書くにあたり、調べたことを記録しておきます。
ど素人の俄知識なので間違いや勘違いも多々あると思いますが何卒ご容赦を。
目次
オルタネーターとは
そもそもオルタネーターとは何ぞや。
Wikipediaには「交流の電気を生成する発電機である。自動車やオートバイ、小型航空機などに搭載されているものは、ダイオードなどを使った整流器で直流へと整流される場合も多く、これらの分野では整流器を含めてオルタネーターと呼ばれる。」とあります。
- ローター = 回転子
- ステーター = 固定子
- レクチファイア = 整流器(R100RSはダイオードボードと呼ぶことが多いです)
- レギュレーター = 調圧器?というのだろうか?
永久磁石を使用したオルタネーターの場合は、レクチファイアの機能が統合された「レギュレートレクチファイア」のことをレギュレーターと呼ぶことが多いようです。
- 電磁石式の場合は 1. 2. 3. 4. でオルタネーター
- 永久磁石式の場合は 1. 2. 4. でオルタネーター
- 上記 1. 2. の組み合わせでACジェネレーター
オルタネーターの原理
↓ こちらでお勉強させていただきました。
オルタネータの動作原理について解説 | How a car generator (alternator) works. - YouTube
コイルに磁石を近づけたり遠ざけたりすると電磁誘導で電気が発生する。
発生する電気の力を大きくするには近づけたり遠ざけたりする速度を上げるか、磁石の磁力を強くする。
電磁石同期発電機と永久磁石同期発電機の違い
電磁石同期発電機
ローターに電磁石を使用したオルタネーターです。
自動車はこちらが多いです。
R100RS の純正はこちら。
エンジンの回転数上昇による発電量の増加に対し、レギュレーターでローターに送る電力を調整し、磁力を制御することで適正な電力をバッテリーに供給します。
バッテリーが満充電状態になれば磁力を抑制し、無駄なく必要十分な電力を供給します。
永久磁石同期発電機
ローターに永久磁石を使用したオルタネーターです。
バイクはこちらが多いです。
Silent Hektik や EnDuraLast はこちら。
ローターに永久磁石を使用しているので、磁力をコントロールできません。
エンジンの回転が上がると発電量も消費量を超えて上がってしまうので、余分な電圧はレギュレーターで熱に変換して消費し、適正な電力をバッテリーに供給します。
原理はよくわかりませんが、最近のMOSFET型レギュレーターはほとんど発熱しないそうです。
僕のイメージは、こんな感じ。
- 電磁石式=「必要な分だけ発電する」
- 永久磁石式=「回した分だけ発電して余った分は捨てる」
構造的には電磁石式の方が理に適っているように感じますが、永久磁石式も小型で構成部品が少ないという大きなメリットがあります。
さらにレギュレートレクチファイアの進化でほとんど発熱しないとのことなので、それぞれのメリット、デメリットを勘案すると結局どちらが良いのでしょうか?
BMWボクサーエンジンのオルタネーターの変遷を見てみましょう。
BMWボクサーエンジンのオルタネーターの変遷
BMW空冷OHVエンジンのオルタネーターは、ローター(回転子)にコイルを用いた電磁石になっていて、ACジェネレーターからダイオードボード(レクチファイア=整流器)とレギュレーターが分離した構造になっています。
空冷OHVに続き、空油冷OHCのR1100、R1150、R1200シリーズも電磁石式のオルタネーターをエンジン上部に搭載していました。
ところが2013年に水冷化された際に永久磁石を使用したオルタネーターになり、エンジン後方に移動しています。
オルタネーターだけでなく、クラッチも乾式単板から湿式多板に、ミッションも一体化され、エンジンオイルで潤滑するようになりました。
これまでの伝統的なレイアウトから、一般的なバイクのエンジンのようになり、一気にコンパクトになりました。
この新しい水冷ボクサーは、パーツリストの画像から推測するに、新電元のMOSFET型レギュレーター(レギュレートレクチファイア)を採用しているようです。
まとめ
BMWのボクサーエンジンも現在では永久磁石を使用したオルタネーターになったということは、システムとしてデメリットよりメリットが勝るとメーカーが判断したのでしょうか。
知識がないのでよくわかりませんが、永久磁石を使用した発電システムを導入した者としては、なんだかメーカーのお墨付きをもらったようで勝手に安心しています。