フロントフォークを車体に組みつけていきいます。
テーパーローラーベアリングの古いグリスを洗浄、フレーム側のレースを含め点検し、問題なければ新しいグリスをテーパーローラーベアリングの間にグリグリ押し込みます。
防水、防錆のためにも隙間ができないように、レース側にも塗り塗りします。
上側のテーパーローラーベアリングはステムシャフトに圧入されるので、ステムシャフトにもグリスを塗っておきます。
グリスは、WAKO'S(ワコーズ)のハイマルチグリース HMG-U、ちょう度2号を使用しています。
アジャスターナットを引掛スパナで締めこみます。
締めこみ具合はガタがなくそれでいて抵抗が少ない状態が良いのでしょうが、トップブリッジを取り付け、ステムナットを締めこむと具合が変わるので、最終的に何度か調整が必要です。
あらためてDUCATIのステムナットの構造に感心します。
いずれR100RS用のトップブリッジ、ステムナットを自分で設計してみたいです。
ロアフォークブリッジにインナーチューブを通します。
ここの嵌め合いは非常にタイトで、外すときはタイヤレバーを使い片手でクランプ部を広げながらもう片方の手で引き抜いたので難儀しました。
組み立て時は以下の作業手順でうまくいったのでご紹介します。
用意するもの
- 六角穴付止めねじ(M10×10mm ピッチ1.5)
- M6ワッシャ(平座金)
- 六角レンチ(5mm)
作業手順
- 六角穴付止めねじをピンチボルトのボルト穴に六角レンチで締めこむ
- 六角レンチを一旦抜く
- クランプ部の切れ目からM6ワッシャを落とさないように入れ、六角レンチをピンチボルトの穴から差し入れ、M6ワッシャの穴を通して六角穴付止めねじを緩めていく
- 六角穴付止めねじを緩める方向に回すことでクランプ部が広がる
クランプが広がった状態で固定できるので、両手を使ってインナーチューブを通せます。
インナーチューブが通ったら先日準備したToaster Tanのトップブリッジを組みつけ、フォークトップナットを締めます。
ステムベアリングの締め付け具合を調整しながら、ステムナットを締め付けます。
オイルシールを交換します。
専用工具を購入しましたが、うまく合わず、結局タイヤレバーで古いシールを外しました。タイヤレバーとゴム板で傷をつけずに外せます。
外した後はシール面を清掃し整えます。
フォークオイルに漬けておいた新しいシールを36mmのソケットで打ち込みます。
インナーチューブにフォークスリーブ、ダストシールを通してアウターチューブを被せます。
No.6のシール リング(07119963041)は新品に交換します。
No.7はパイロットリセス付きの低頭六角穴付きボルトですが、パイロットリセス付きの専用ビットを持っていないので通常の六角ビットで締めます。
掛かりが浅いのでボルトと工具がずれないようしっかり押し込みながら、13~17N・mで締めます。
フロントフォークはマルゾッキ製ですね。
購入時にアウターチューブは一度交換されていると聞いていますが、デートマークから2001年の製造でしょうか?
フォークオイルを入れます。
使用したオイルはMOTOREX(モトレックス) RACING FORK OIL 7.5W。
オイル量は320±10cc。
メスシリンダーで320ccを計量して、フォーク上部のスクリュープラグを外し、漏斗を使用して注入します。
フォークオイル注入後、スクリュープラグを閉め、ダストカバーを被せてからハンドルを取り付けます。
ハンドルを先に取り付けてしまうと隙間が狭くダストカバーが入りません。
メーターブラケットは、ハンドルを乗せてから仕込みます。
ケーブル類の長さに余裕がなく、ハンドル周りの構造が複雑なので順序が大切です。
Toaster Tanのトップブリッジ交換準備の際に入れ替えたボルト類の長さもいい具合です。
ボルトの先端はチャンファー(面取り)加工されているので、純正同様のかかり代を得るためには、ナットからボルトのねじ山が出るように組む必要があります。
わずか数ミリですが、安全上とても大切なことです。
ちなみにステムナットの上にあるでっぱりは、M8のタップ加工されたステンレス製のカラーです。
クラッシュパッドのバッジを外すと面一になるようにセットしてあります。
いずれスマホホルダーでも取り付けようと考えています。
以上でフォークの組みつけ完了です。
【追記】インプレッションはこちら ↓
【追記】スマホホルダーの取り付けはこちら ↓